奄美群島で島おこしに取り組む人たちが自身の活動や体験について語る「島サバクリエイティヴ―GCD(ガシド)」(奄美群島広域事務組合主催)が2月3日、徳之島町生涯学習センターであった。男女6人が登壇し商品開発、集落活性化などの活動や将来の展望を発表。来場した約90人が各島で奮闘する〝島興師(しまおこし)〟たちへ「ガシド!(そうだね)」と共感とエールを送った。
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同イベントは奄美群島12市町村が2013年度に掲げた群島成長戦略ビジョンに基づく人材育成事業の成果発表の場として15年度からスタート。各島持ち回りで開催しており、徳之島では21年の伊仙町開催以来となった。
徳之島町出身で23年にUターンして農業に取り組んでいる川上修也さんは農薬や除草剤を使わず栽培しているドラゴンフルーツを紹介。東京の飲食店から注文があったことを伝え、「島に居ながら全国、世界に表現できることを身をもって知ることができた」と手応えを語った。さらにテキーラの原料となるリュゼツランが島に自生していることに着目し、新規名産品となる可能性にも言及した。
伊仙町でとくのしま伊仙まちづくり協同組合事務局長を務める大保健司さんは、自身が20年に大阪から移住した際に経験した▽移住の窓口がない▽仕事や借家が少ない│などの苦労があったことを伝え、現在、同組合で住居サポートや人材派遣などのサービスで解決につなげていることを紹介。「関係人口を増やすことで徳之島の人口減少を緩やかにしたい」と今後の目標を掲げた。
このほか▽奄美稲作保存会代表理事の小池弘章さん(龍郷町)▽喜界町地域おこし協力隊の谷川理さん▽ヨロン島エコツアーガイド連絡協議会与論島観光エコツアーガイド代表の佐藤伸幸さん▽NPO「SMAPPY」代表の新納佳恵さん(和泊町)│が登壇し、それぞれの活動の経緯や今後の展望を語った。
友人らと共に来場した東郷みね子さん(69)=徳之島町下久志=は「Iターン者がそれぞれの移住先で奮闘していることに感謝するとともに、よそから来た人たちの方が島の良さが分かっていると感じた。昔から島に住む私たちも、もっと島のことを学んで広く発信していかなければと気付かされた」と感想を述べた。
会場では「奄美群島チャレンジ商品」の展示販売会も開かれ、喜界島産ゴマや沖永良部島産のバレイショ、徳之島産の長命草など群島内の特産品を使用した加工食品などのブースが設けられ、買い物を楽しむ来場者でにぎわった。
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