鹿児島県喜界島の喜界町志戸桶集落で12月2日、サンゴの石垣修復体験が行われた。参加者約20人が額の汗をぬぐいながら石垣の修復作業。島の成り立ちとは切り離せないサンゴ礁文化に触れながら、サンゴの島を実感した。
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喜界町公民館講座「喜界島のジオを知る体験教室」の一環。受講生らはこれまでに、サンゴの生態やサンゴ隆起による喜界島の成り立ちなどを学んできた。
この日は、講座受講生や喜界島サンゴ礁科学研究所スタッフらとともに、喜界高校に通うサンゴ留学生6人も参加。阿伝集落サンゴの石垣保存会の武田秀伸事務局長が講師を務め、石垣修復作業のポイントとして、大きい築石(つきいし)を表面にして小さなグリ石を詰めることや、石垣を安定させるための石の置き方などを説明。参加者らは、大きなサンゴ石を協力しながら組み合わせたり、声を掛け合ったりしながら約90分で、長さ約10メートル、幅1メートル、高さ1・2メートルのサンゴの石垣を完成させた。
町が実施する留学制度のサンゴ留学生として今年、県立喜界高校に入学した男子生徒(16)は「石垣を積む作業は大変だったが、みんなで協力したことで、達成感がある。これまでに、海に潜っての生物調査もしてきたが、きょうの体験で改めてサンゴの島だということを実感した」と話した。
夫婦でこの講座を受講している滝川集落の一宮俊夫さん(75)良子さん(67)夫妻は「島の山手にある滝川集落では、土にサンゴ石を詰め込むような石垣なので、違いに驚いた。崩れているサンゴの石垣を自分たちで少しでも修復できたらいいなと思う。学んだことを知り合いにも伝えたい」と語った。
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